7、うつ病の治療

治療

もし読んでいなければこちらから読んでください。
うつ病 診断 症状
うつ病 原因はいろいろ

軽い”うつ”であれば、時間が経てば良くなります。患者さんがクリニックに予約して、1か月後の受診時には良くなっていることもあります。

うつ病の治療はまず、自分が何を存在の拠り所としているか見つめ直してみるとよいでしょう。それが分かりにくいこともありますが、分かった方が気持ちの整理がつきやすいと思います。

前のブログのうつ病と誇大妄想で紹介したAさんですが、彼も投薬なしで改善しました。もしかしたらまた妄想を作れるようになって良くなったのかもしれませんが、理想としては妄想なしでもやっていけるメンタルになることです。

妄想など他の症状に流されず、“うつ”のままで踏ん張れれば、いずれ肝がすわってきて良くなります。(他人の評価を気にしてたけど)吹っ切れた、(子供が巣立つことを)受け入れた、(命を失うことも)覚悟した、こういった感じになるのだと思います。不安も”うつ”に近い症状なので、いじくり回さず不安をそのままにしておけば、いずれ消えていきます。実際は環境整備や話し合いが必要になることもありますが、心の持ち様としては、良くなるタイミングが来るまで、焦らないで待つ姿勢が大切です。
“うつ”とは、一般的に使われているうつ病と区別して、うつ病の中核症状という意味で使っています。)

しかし重いうつ病の場合は、妄想、気分の落ち込み、だるさ、神経症的な症状、思考抑制が出てきて、治療に時間がかかることもあります。原因も複雑だったり、何個かあったり、自分の問題だけでなく相手に問題がある場合もありますので、時間をかけて解決する必要も出てきます。

あと勘違いしないで欲しいのは、依存しないでもやっていけることと依存しているものを実際に捨てることはイコールではありません。大事なのは心の中でなくてもいいやと思えることで、実際には捨てることになるかもしれないし、捨てないかもしれません。捨てても未練が残っていれば依存していることと変わりありません。

しかしながら人間は弱いので、まったく依存しないというのは厳しすぎるかもしれません。次善策として依存の対象を複数持って、存在の拠り所を分散させるのもいいかもしれません。

“うつ”の治療の方向性は、また後で説明します。

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